マスメディア、広告主、広告会社等で構成されている全日本広告連盟、2021年全国大会(第69回山陰大会、来年5月20日開催)において、「地域メディア・広告業のDX戦略策定ワークショップ」に登壇することになりました。
出雲大社を擁する島根の地で開催される「ヤオヨロズの英知でつくる広告神話~山の陰から創造の光を~」をテーマとする全広連全国大会2021。
単なる講演ではなく、各地域のTV・新聞等の地域メディア・広告業を担う事業者の方々に、実際に「大胆な地域メディア・広告業のDX戦略」を策定していただきたいと切望しています。
メディアは、「デジタル×モバイル」の進化によって、TV・動画、ラジオ・音声、文字媒体等がすべてスマホという一つのデバイスで消費者の選択によって自由自在に見る・聞く・読むことが可能になりました。
こうなってくると、重要なのは、「TV・動画、ラジオ・音声、文字媒体等の中でどれが優れているのか?」等ではなく、「消費者が望む、最も自然で便利なものは何か」にゲームのルールが変わってくるのではないかと思っています。
アマゾンのジェフ・ベゾスは、予ねてより、「ただ話かけるだけが人にとって最も自然なCX」と考え、音声認識AIアシスタントであるアマゾンアレクサをスマートホームのエコシステムにまで高めてきました。動画・映像等が見られるアマゾン・エコー・ショーよりも、音声だけのアマゾン・エコーを重視してきたのも、「ただ話かけるだけの方がより自然で優れたCX」と考えたからです。そんななかで、clubhouse等の新たなメディアがシンプルかつ優れたCXを武器にして人気を集めているのは象徴的ではないかと思います。
テクノロジーが進化し、より便利になった時代、実は、より重要なことは「人の本能や欲望にとって、自然であるか否か」ではないかと分析しています。その一方で、アップルは最新のiPhoneに自動運転車にも搭載されるLidar(光線)センサーを搭載、アメリカで若者に人気のSnapchatは、いち早くその機能を活かして優れたARサービスを展開しています。5Gの浸透が本格化してくると、消費者が最もよく使う「プラットフォーム」とは、今はまだ存在していない企業による新たなサービスによってもたらされる可能性も高いのではないかと予想しています。そして、それは「アンビエントコンピューティング」という競争の条件において行われる、人にとって何が本当に自然であるのかを競う、本来あるべき競争になってほしいと切望しています。
今回のワークショップでは、このようにメディアと広告の本質を考えるとともに、最先端のDXも紹介しながら、実践的なワークショップを実施していきたいと考えています。
以上引き続きよろしくお願いします。
田中道昭