「“トヨタ、五輪撤退、その決断の舞台裏”『週刊現代』にコメント掲載」

本日7月27日発売の講談社、『週刊現代』7月31日号特集記事「トヨタ、五輪撤退、その決断の舞台裏」にコメントが掲載されました。

「インサイド・レポート」と銘打った同記事は同誌経済記者が取材をもとに執筆しており、トヨタの広報部門担当責任者である長田准執行役員も取材を受けてコメントしています。

さらには五輪招致決定時に東京都知事を務めていた猪瀬直樹氏もコメントを寄せており、当初はトヨタの張富士夫会長(当時)に五輪組織委員会会長を依頼し内諾を得ていたものの、その後森喜朗氏が猛烈な攻勢をかけてきたことなどの内情を明らかにしています。

私自身は今回の五輪について考えたことは、「五輪の主権者とは誰なのか?」ということでした。

そして、「主権者」や「主権」については、コロナ禍で様々な出来事が起きているなかであらためて考えさせられることの多いテーマになっています。

例えば、「国家の三要素」は、主権、領土、国民。そして、日本国憲法では国民主権が掲げられています。

コロナ禍において、五輪の運営においてもアスリートという本来の主権者が置き去りにされ、国家の運営においても、国民という本来の主権者が置き去りにされているように思えてなりません。

私自身も、中学時代はテニスで県大会準優勝、高校時代は空手でインターハイ出場という“アスリート”の経験をもっていることから、現在においても、“アスリートらしさ”とは何かを重要な信条や行動規範としてきています。

五輪で活躍している日本を含む各国のアスリートには心から敬意を表する一方で、企業経営に例えると、「IOCがフランチャイザーでJOCがフランチャイジー」という五輪運営のガバナンスについては大いに再考の余地があると考えています。

以下では記事最終部の私のコメントを転載させていただきますが、まさに「インサイド・レポート」となっている同記事、是非とも実際にお読みいただければ幸いです。

以上引き続きよろしくお願いいたします。

田中道昭

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トヨタと組織委員会との亀裂が改めて垣間見えたのは、今年2月のこと。森喜朗会長(当時)が「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言し大問題になったときだ。豊田社長は「大会組織委員会のリーダーのご発言は、私たちトヨタが大切にしてきた価値観とは異なっており、誠に遺憾であります」と痛烈に批判したのだ。

 グローバル企業として世界各国で企業活動を行っているトヨタと、世界の潮流から完全に取り残された前時代的な政治家が牛耳る組織とでは溝が深すぎたようだ。立教大学ビジネススクール教授の田中道昭氏が語る。

「要するに自分たちの”世界“ブランディングと、すべてが後手後手でひどいガバナンスの“日本版”五輪は相入れないということでしょう。

最近の豊田社長は、世界各国が脱炭素へと動く中、相変わらず明確なエネルギー政策が打ち出せない日本政府にもはっきりとモノ申している。国としてのグランドデザインがないのに、民間企業にばかり『脱炭素』を押し付けようとする政府にうんざりしているのでしょう。五輪の件も同じ文脈にあると思います」

あえてCMを流さないことでトヨタは「損して得とれ」のウルトラCに出た。これが金メダルに値する技だったかどうかは、近いうちにわかるだろう。

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