この度、私が監修を行った最新刊『くらべる!決算書図鑑—比較でわかる同業他社の意外な戦略&儲けのしくみ』が2月24日に宝島社より刊行されることになりました。
会計・財務については、『ソフトバンクで占う2025年の世界』(PHP研究所)第4章「ソフトバンクの金融財務戦略の詳解」で論述していますが、単独の書籍としては初めての作品となります。
私は戦略コンサルタントとして企業や産業の分析を行いながら各種メディアでもそれらについての発信を行っていますが、ビジネスキャリアの前半、国内外の金融機関で投資銀行業務に従事していた私にとって、企業分析の原点は会計・財務分析にあります。
その後、シカゴ大学ビジネススクールでMBAを取得し、企業を戦略やビジネスモデル等の側面から分析する手法を身につけました。
そして戦略コンサルタントとして独立してからは、メディア・広告、小売・流通、製造業、サービス業、テクノロジー、金融・証券・保険など多業種における戦略コンサルティングに従事してきています。そんな私の企業分析の手法は、会計・財務分析を中心とする「定量分析」と戦略やビジネスモデルの分析を中心とする「定性分析」の両面から同時に行うことが特徴になっています。
本書では、そんな私が実際に「企業をどのように分析しているのか」の重要なポイントを整理し、それらを使った実際の分析事例が豊富におさめられています。
プロローグのタイトルにもなっている「分析の本質は『比較』にある」という考えは、実際に私自身の企業分析での信条にもなっており、「他社比較」と「時系列比較」を実際の企業分析の実務の中核においてきました。プロローグでは、この他に、「三位一体思考」、「両利き思考」、「ROAマップ」等、私独自の分析手法も紹介しています。
さらに第6章では、「決算書で企業を読み解くポイント」と題して、企業分析における最も重要な対象である「企業価値」(時価総額)やその考え方について概観した上で、2022年1月の初めに米アップルの時価総額が3兆ドルを超えた理由を独自に分析しています。私自身が実際に行っている「決算書クイックチェック」も盛り込みました。
そして実際に企業分析を仕事としている私が本書最大の特長であると考えているのは、多くのビジネスパーソンにとっても普段の仕事や株式投資等ですぐに活かせる事例が、重要な分類にしたがって豊富にわかりやすく載っていることだと思っています。
はじめに:「戦略コンサルタントは企業のどこを見ているのか?」
序章:「分析の本質は『比較』にある」
第1章:「GAFAM+N」を「くらべる!」分析
第2章:「世界の企業」を「くらべる!」分析
第3章:「世界と日本の企業」を「くらべる!」分析
第4章:「日本の企業」を「くらべる!」分析
第5章:「くらべる!日本の主要16産業」
第6章:「決算書で企業を読み解くポイント」
2月24日刊行の最新刊をご参考にしていただけたら幸いです。→ こちらから
以上引き続きよろしくお願い申し上げます。
田中道昭