コメンテーターを務めているテレビ東京のWBSにおいて、昨日2月8日の放送にて、昨日午後に2021年10-12月期決算発表を行ったソフトバンクグループの決算結果について解説を行いました。
昨日発表された決算結果は厳しい内容であり、さらには計画されていたアームのNVIDIAへの売却が頓挫したという悪材料の最中、孫社長の決算説明の大半はアームの新成長戦略の説明に充当されました。
孫社長らしさが発揮されたのは決算説明会の席上で「2022年度のアームの上場を目指す」と宣言したこと。
さらに驚いたのがアームの直近期の売上と利益の数値を示し、数字の上で「アームが第2の成長期に入った」と示したことに加え、内容としても、優れた演算処理能力に加えて低電力消費を武器に従来からのスマホ分野に加えてクラウド分野でも売上が拡大したことを説明。
気候変動問題、脱炭素を受けた低消費電力へのニーズがアームへの最大のフォローの風。
限られた時間ではありますが、アームが成長し始めたこと、上場の現実性も高いのではないかと思わせるには効果的な孫社長の説明だったと思います。
今回の決算結果自体は、孫社長が予ねてから「SBGの決算はここを見てほしい」と力説してきた2大数値である時価純資産が19.3兆円、LTV(負債カバー率)が22%と悪化、特にLTVは「通常は25%未満で運用」としてきただけに、すでにイエローゾーン領域に突入。足元では新規投資を手控えないといけない状況となり、同社の財務体質にさらに厳しい目が向けられることになると思います。
WBSでのコメントも、厳しい内容のものを中心に取り上げられましたが、厳しい決算結果とアーム売却頓挫という悪材料のなかでもアームの新成長戦略を熱く語ることのできた孫さんは本当に素晴らしい経営者であると思いました。逆境での孫さんの立ち居振る舞い、本当に多くの経営者が模範にすべきであると思っています。決算結果についてのコメントはプロピッカーを務めているNewsPicksにおいても昨日以下の通り行っていますのでご参考にしていただけたら幸いです。
以上引き続きよろしくお願い申し上げます。
田中道昭