7月からスタートした東洋経済オンラインでの新連載「好敵手2社、勝負の分かれ目」の2回目は、“トヨタ対テスラ”。
“テスラの生産効率はトヨタの1.8倍?”
ブルームバーグは今年1月、「2021年、テスラのフリーモント工場は70の北米自動車工場のどこよりも生産性に優れていた」と報じました(2022年1月24日付記事)。その製造能力は週平均8550台。2番手につけたトヨタ自動車のジョージタウン工場は週平均8427台でした。
単位面積当たりの製造能力を見ると、トヨタの9台(週平均、1万平方フィート当たり)に対しテスラは16台(同)。テスラの製造能力はトヨタの約1.8倍という計算になります。
もちろん、このデータのみを切り出して、テスラの生産性はトヨタ以上と断言はできません。また自動車工場といっても、テスラはEV(電気自動車)のみ、トヨタはハイブリッド車、ガソリン車を両方生産しているなど内容も大きく異なります。
しかし、今や時価総額で世界一の自動車メーカーとなったテスラと、元世界一の自動車メーカーであるトヨタ自動車を比較するにあたり「工場」は注目すべきポイントです。両社のビジョン、ミッション、哲学といったものがそこに色濃く反映されているからです。
筆者は2018年に刊行した『2022年の次世代自動車産業』(PHP研究所)において、テスラとトヨタがいかにCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電気自動車)に対応しているかを分析しました。今回は、工場=製造プロセスにおけるデジタルトランスフォーメーション(DX)、いわば製造業DXの進展における、トヨタとテスラの勝負の分かれ目を探ります。
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田中道昭