【「日本に不足しているものは何か?」】(米国出張報告&日経電子版コメント)

昨日の夕方16時過ぎにCES2023参加を含む1月4日からの米国出張から帰国いたしました。

ラスベガスからはシアトルに立ち寄り、ご夫妻でシアトルが本社のビッグテック本社に勤務する友人に1日シアトルを案内していただきました。

CESに3年ぶりに参加して思ったことは、特に各業界のリーダーが登壇したセッションに参加して、「アメリカ人はパッショネートである」「伝えたいことがある」「常に大きなビジョンを掲げそれを目指して努力している」ということを痛感したということでした。

DX、メタバース、WEB3等の注目テーマが、どのような優先順位でどのように語られているかも実際にセッションに参加してみないとわからないことであったと思っています。

今回私が最も注目した企業は中国TCL。日本のメディアではほとんど取り上げられていませんでしたが、今回のCESの2大スポンサーの1社であるばかりか、展示した製品サービスの広さや深さが他社を圧倒していました。Amazonの衛星インターネットなど、日本では注目されていない動きにやはり来てみないとよくわからないことが多いことを痛感しました。

EVシフトについては、EVバッテリーステーションを展示する企業も多く、ベトナムのVINFASTというEVメーカーも現地では注目を集めているなど、新興EVメーカーの展開が目立ち、もはやハードとしてのEVには数年後には収益は残らない(OSやプラットフォーム、重要部品にしか収益は残らない)ことを予想させる状況でした。

ナスダックのフリードマンCEOが登壇した「The Future of the 21st Century Economy」。挑戦的なテーマに一人でCES/CTA会長との対談に臨んだ彼女の洞察力溢れるコメントにも感銘を受けました。米国上場企業経営者の現在の3大テーマ。そして、「米国が新興国から学ぶべきこと」に「Competitive Spirit」と答えていたことが印象的でした。

CES2023の内容等については、今後様々なかたちでフィードバックしていきたいと思っています。

以上引き続きよろしくお願い申し上げます。

田中道昭

 

ファーストリテイリング、国内人件費15%増へ 年収最大4割上げ: 日本経済新聞

足元の物価・都区部は4%上昇、実質賃金は8ヶ月連続減。ここで物価上昇を上回る賃上げが実行されないとマクロでは消費が低迷し、景気悪化に陥るリスクが高まっています。そんな中でのファストリの国内人件費15%増、年収最大4割上げのニュース。国際人材獲得も狙った攻めの人材戦略であり、日本のリーダー的企業としてこのタイミングで優れた指針を示したものであると高く評価されます。各業界のリーダー的企業が率先して大胆なビジョンと賃上げを含む人事戦略を示すこと、社員はそれを意気に感じて生産性向上に貢献すること、政府にはそれらへの支援が求められています。重要なのは大胆なビジョンや戦略から人事を考えることだと思います。


 

 

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