5月24日NHK国際報道2018に出演

5月24日NHK国際報道2018において、顔認証について解説いたしました。

中国では、顔認証システム、「天網」(てんもう)が発達しています。

これは、顔認証システムを活用して、動くものを追跡・判別する監視カメラと、中国国民のデータベースが連動したAIネットワークシステムです。

2012年には首都・北京でも本格的な運用がスタートし、早くも2015年には農村部を除く中国全土の全都市が100%カバーされた、と中国政府から発表されました。2017年時点で、中国には1億7000万台の監視カメラとネットワークが構築されているといい、2020年には中国全土を100%カバーする計画。

セキュリティーや防犯上の目的とされているが、「管理国家」中国の象徴の一つとなっています。

iPhone Xなどの製品で注目を浴びる「顔認証技術」に関しては、一方で、個人情報が管理されることへの警戒感が高まっており、欧米や日本では、中国と比較するとその浸透は遅れています。顔認証システムがどれだけ浸透するかは、技術の問題ではなく、個人情報保護への取り組み姿勢の問題でもあるのだと思います。

日本でもコンサートの入場時に転売されたチケットであるかどうかをチェックしたりすることなどにも利用され始めています。企業の生産性や効率性を高めるのに効果があるとされています。

身近なところでは、フェイスブックなどのSNSでは、写真が投稿されるのに対して、顔認証システムを活用して各種のサービスを提供しています。写真を投稿しただけで、どの人が誰であるのかをかなり正確に特定できるレベルにまで高まっています。

もっとも、消費者の視点からすると、自分の顔データまでもがビッグデータとして企業等に管理されることへの抵抗感は少なくありません。

消費者に対して事前に顔認証が利用されることをきちんと告知し、納得感をもって利用してもらうことがより重要になると考えられます。

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