「東洋経済オンライン緊急寄稿」:ヤフーとLINEの経営統合
今回交渉が明らかになったヤフーとLINEとの経営統合。東洋経済オンラインで先週のソフトバンクグループ決算への論考に続き、緊急寄稿しました。記事はこちらから。
今回の経営統合は、実現すれば、アリババを徹底的にベンチマークしてきた前者とテンセントを徹底的にベンチマークしてきたLINEとの経営統合とも言えるのが今回の組み合わせなのです。
両者の組み合わせによるインパクトとしては、まず最初に優れた顧客基盤と顧客接点が挙げられます。デジタルトランスフォーメーション時代の顧客基盤とは、ずばりスマホの中で親密な顧客接点をもつかという点に集約されているなかで、LINEというコミュニケーションアプリと各種サービスを展開するソフトバンク側の企業連合は、これで国内No.1の顧客基盤をもつ連合に躍り出たと言っても過言ではないでしょう。
そして、その優れた顧客接点をもとに、LINEやPayPayから、各種の金融サービス、EC小売、さらには旅行・通信・電力・モビリティーへと誘導する巨大なプラットフォームが形成される。
アリババとテンセントは、生活サービスのプラットフォームの中に商流・金流・物流を囲い込み、ユーザー1人ひとりに関するビッグデータを蓄積しています。そのデータが新たなサービスの開発に活用され、さらに次のサービスが展開されるという事業展開を続けてきました。
ヤフーとLINEの経営統合には、中国2大プラットフォーム企業をさらに超えるような優れた顧客価値を提供し、日本発の破壊的イノベーションが生み出されることを期待しています。
本件についてはNHKからのインタビュー取材のご依頼をいただき、本日のスケジュールがミーティング等でタイトで移動が困難であることから、私のマージングポイント一番町オフィスまでお越しいただき撮影が行われることになりました。夜7時か9時のニュースで放送される予定です。
昨年10月のトヨタ自動車とソフトバンクの提携という世紀の大ニュースに続き、本件もNHKの夜のニュースでコメントさせていただけること、本当にとっても光栄に思っております。
以上引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
田中道昭