昨年3月より、テレビ東京ワールドビジネスサテライトのコメンテーターを務めておりますが、昨年12月10日・22日、本年1月28日、2月10日に続き、昨晩2月11日(木)の放送に出演いたしました。
昨晩は、まず「コロナで格差が拡大―いま求められているのは?」というテーマについて、「公平・公正」(Equity)という価値観を提示させていただきました。
Equityとは、米バイデン政権でも4大政策の一つ人種差別の是正においてもRacial Equityとして使われていたりする重要なバリュー。欧米では、「Diversity and Inclusion」に加えて、最近では「Diversity, Equity, and Inclusion」(DEI)としても広がっているバリューの一部を構成するものでもあります。Equalityが平等、同じにすることであるのに対して、Equityは状況やその人に応じて公平にしていくこと、つまりは実質的・本質的な平等を意味する概念です。昨晩は東京五輪、富裕層の高額消費増加と一般層でのプチ贅沢消費減少等のニュースを受けて、格差と格差是正というテーマの中でこのお話しをさせていただきました。
さらに昨晩は「アップルカー」についての報道が増えてきているなかで、アップルのアップルカー戦略の予測分析を行いました。
私は予ねてからアップルのEV戦略は、実際にはCASE戦略であり、EVというクルマを展開することだけに目的があるのではなく、次世代自動車産業におけるプラットフォームやエコシステム全体の覇権を目指す戦略ではないかと分析しております。これは言うまでもなく、アップルがスマホの世界で実現したことです。さらには「垂直統合か水平分業化か?」が重要なのではなく、製品に対する細部への徹底的なこだわりやライフスタイル全般におけるブランディングが重要なのであり(消費者に受け入れられか否かが重要)、既存自動車会社には大きな脅威になると思います。インダストリアルデザインや生産管理に徹底的にこだわった、ライフスタイルブランドとしてのアップルカーに乗りたい人は少なくないことでしょう。また昨年7月に「2030年までにサプライチェーン全体をカーボンニュートラルにすることをコミット」したアップルは、アップルカー事業においても同方針を実行するはずであり、この点においても日本企業に大きな影響を与えるという指摘をさせていただきました。
この番組に出演させていただいていることで様々な学びを得ることができており、引き続き愚直に努力を積み重ねていきたいと思います。
以上引き続きよろしくお願い申し上げます。
田中道昭