前回の「ロシア国債デフォルト→LTCM破綻」で金融市場が混乱した前後、私は当時のMUFGシンガポール現法に勤務しており、「新興国からの資金流出→銀行危機→信用収縮→流動性危機→経済危機」という「アジア通貨危機」を経験しました。今回仮にロシア国債がデフォルトとなったとしても、金額は相対的に小さく、保有しているヘッジファンドや金融機関等への影響も前回と比較するとマネージ可能な水準。リスクシナリオはロシアのデフォルトが他の新興国危機に発展しないかという点であり、すでにインフレ率や金利が上昇している中東欧等の動向は前広に支援するという意味も含めて注視が必要と思われます。影響は、ルーブルの価値の暴落、さらなるインフレやモノ不足など、ロシア国内の方が大きいと思います。
田中道昭
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