「米利上げ期待→円安→経常赤字拡大→円安」というスパイラルシナリオに加え、ウクライナ危機で通貨への信認が低下していたことが露見し、「リスクオフで円安」という従来とは逆の要因も重なっての円安というのが現況。製造業の海外シフトで円安になっても輸出は増えない構図も明らかになっており、原油高・資源高の現況下での円安は日本経済にとって好ましくないと分析されます。物価も企業物価と消費者物価で大きく乖離、あるいはバリューチェーンの川上である原材料価格ではインフレ、川下の最終財価格ではデフレという状況で、全体としてはデフレギャップも存在。多くの複合要因から成る「悪い円安」が起きていると注意が必要だと思います。
円、対ドルで一時118円台に下落 5年2カ月ぶり: 日本経済新聞 →記事はこちらから
田中道昭