コメンテーターを務めているテレビ東京のWBSにおいて、昨日4月15日の放送にて、イーロン・マスク氏のツイッター買収提案について解説を行いました。
マスク氏はツイッター買収提案後に登場した米国時間14日のTedTalkにおいて、買収の目的は言論の自由の場を確保することであり、そのために自分の利益や経済性は問題ではないと述べました。
宇宙レベルの天才・奇才・異端児であるマスク氏の行動を読み解くには、同人のプロファイリングが必須です。これまで2冊の著作でも取り上げてきましたが、マスク氏は普段は朝令暮改的な行動が多い一方、重要な事項については、「宇宙レベルの壮大さと物理学的レベルの細かさで思考する」人物であると分析してきました。実際に職場での口癖は「物理学レベルまで突き詰めろ」。さらには自らの使命に関わる最重要事項においては、自らの利益や損得・経済性よりは、自らの使命や正義を重視する人物であると分析してきました。
4年前の4月1日にマスク氏は「テスラ倒産」とブラックジョークをツイート、株価は7%下落。毀誉褒貶が激しいマスク氏ですが、経営破綻も噂される状況においても、人類救済やクリーンエネルギーのエコシステム構築のためなら全財産を失っても構わないと本気で発言。今回も批判も覚悟の上での信念からの行動だと思います。
SNSでの言論の自由のための買収、マスク氏でも困難な道程になるテーマですが、本人には身上や本領であり、彼特有の計算があると思います。ただし今回はこれまでの彼の行動の中でも最も支持や共感を得るのが難しいものになりそうです。
マスク氏については、日本経済新聞電子版Think!エキスパートでもコメントをしていますので御参考にしていただけたら幸いです。
マスク氏、Twitterに買収提案 SNSの公共性議論再燃も: 日本経済新聞 →記事はこちらから
Twitter、マスク氏を取締役に起用: 日本経済新聞 →記事はこちらから
田中道昭
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