【「ロシアとサウジの錬金術」の手の内とは何か?】(日経電子版Think!コメント)

バイデン氏、サウジ原油増産「期待」 食料支援1400億円: 日本経済新聞

バイデン氏のサウジアラビア訪問に時を合わせるかのように、ロイター通信は英文の独占記事として15日付で、“ロシアへの経済制裁の抜け穴構造”や“サウジとロシアの錬金術の手法“を明らかにしました。ロシアは割引価格で燃料油をサウジに輸出、サウジはそれを国内用に消費し自国の原油は輸出に回すという裁定取引をしており、第二四半期は同燃料油取引が倍増したとのこと。同様に中国、インド、アフリカ、中東諸国がロシアからの原油や燃料油の輸入を増やしているとも伝えています。米Politicoはサウジ国王と皇太子がバイデン氏を空港で出迎えなかったことを皮肉りましたが、そこに様々なことが投影されており憂慮されるところです。

私自身、海外のオイル&ガスのエネルギーファイナンスにも国内外の金融機関時代従事していましたが、エネルギー経済では「エネルギー使用量=エネルギー使用効率×生活水準×人口など」、「エネルギー需要=技術係数×稼働率×利用資本ストックなど」、「エネルギー消費の対GDP原単位」、「エネルギー消費のGDP弾性値」などを使ってマクロ経済への影響を考えます。原油価格の金融としての実務的な予測では、需給を中心とするファンダメンタルズ、主要産油国や金融筋などの「誰が何を考えているか」の分析、地政学リスクの3つが重要。6月以降原油価格が下落局面となってきたことも、これらで説明することができます。→記事はこちらから

田中道昭

 

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