輪番で評者の一人を務めている『週刊金融財政事情』
本日発売1月28日号において、『戦略の世界史 戦争・政治・ビジネス』の書評を行いました。
「筆者は、戦略的思考について、徹底的で包括的な思考であり、全体と各要素との関係、そして過去、現在、予測される未来においてお互いにどのように影響を及ぼしあうかに目を向けることにより、各要素の相互作用がいかに全体を構成するのかを理解しようとする思考であると述べている。実際にも、本書全体が、政治・経済・社会・テクノロジーを広範囲に扱い、軍事戦略や革命の歴史から、哲学や文学、経済学、経営学、社会学、政治学、心理学に至るまでの関連項目を網羅し、筆者が常に全体と各要素との関係にも留意していることとも合致する重要な点だ。」
上巻557ページ、下巻549ページに及ぶ大作の筆者は、国際政治研究者で、ロンドン大学キングス・カレッジ戦争研究学部名誉教授のローレンス・フリードマン。
本書でカバーしている戦略には、戦争や政治のみならず、産業・企業・ビジネスなども含まれており、特に下巻の211ページ以降では、壮大な戦略の世界史を踏まえて、経営戦略の領域での流れが詳しく紹介されています。
実務にも直接活かすことのできる内容も多いという意味でも、お勧めする大きな理由の一つです。
ご参考にしていただけたら幸いです。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
田中道昭